アーティスティック ディレクター NIGO®️(ニゴー)の手掛ける〈KENZO(ケンゾー)〉が、6月26日(現地時間)のパリ・ファッションウィークにて2023年春夏ウィメンズ&メンズコレクションをランウェイ形式で発表した。本稿では貴重なバックステージの写真と共に、今回のコレクションをレポートする。 今季のコレクションでは、NIGO®️が前シーズンのデビューコレクションで確立した世界を拡大し洗練させ、ファッションへの永続的なアプローチによって創造された日常生活の為のワードローブを展開。アーカイブのシルエットとモチーフに支えられたこのコレクションは、創立者と後継者が共有するユニークな日本的視点からのパリ、その見解で髙田賢三の図像を解体し、再構築を試みた。Yellow Magic Orchestra(YMO:イエロー・マジック・オーケストラ)が1978年に発表したデビューアルバム『Yellow Magic Orchestra』に収録されていたMartin Denny(マーティン・デニー)のカバー曲 “Fire Cracker”をBGMにスタートしたショーでは、若き日のNIGO®️が体験した1980年代の日本のDCブランドブームやそれを取り巻くファッションの風景を想起させるモチーフが散りばめられたピースが登場。プレッピーな雰囲気のスーツのシルエットは、NIGO®️のルーツの1つであるサブカルチャーの要素を持つ英国のサルトリアの伝統に基づいている。ワークウェアは、1930年代と40年代のアメリカの鉄道労働者と軍隊の修理工のユニフォームからヒントを得たという。ドレスのシェイプは1970年代と1980年代の〈KENZO〉アーカイブから着想しており、ヴァーシティジャケットやボンバージャケット、ブーツといったアイテムと組み合わせることで現代的なウィメンズウェアを提案。DCブランドブームの要素は、複雑なインターシャニットやヴァーシティジャケット、キャラクターのアップリケが付いたジレなどに表出。セーラー襟、セーラーハット、バトンの縞模様などのマリンルックは、1980年代のパリのクチュールやその海上ユニフォームのエレベーションを日本の視点で解釈した。 〈KENZO〉ブランドを象徴する花のモチーフは、先シーズンに引き続きさまざまなアイテムに応用。ボケの花はヒョウと漫画で変形され、アロハ花柄はカットされた着物から作られた初期のハワイアンシャツを暗示。アーカイブプリントからほぼ正確なレプリカとして再描画されたピクセル・ローズ・カモは、ナイロンのアイテムやニットウェア、デニムのピースに使用されている。“Ken Zō”の響きから発想された象のアイコンは、ボンバージャケットのタオル刺繡やジャージのチェーン刺繡、アクセサリーのモチーフとして採用された。その他にも日本製デニムのアイテムや〈KENZO〉スマイルのディテールが特徴の新たなバスケットボールシューズとランニングシューズ、ハイトップおよびロートップのローファー、ボートシューズ、日本の草履をアレンジしたラバースライド、カレッジドレッシングのコミュニティコードを想起させる女性用バッグ、〈Muhlbauer(ミュールバウアー)〉とのコラボレーションによって製作されたストロートリルビーハット、ストローバイザー、ボウラーハット、タイキャップなどがラインアップする。